FFFTP Projectは11月22日、FFFTP 1.98dをリリースしました。
FFFTPはSota氏(http://www2.biglobe.ne.jp/~sota/)が開発を続けられていたフリーソフトウェアですが、2011年8月31日、Sota氏によりFFFTPの開発終了宣言が出されました。しかし、FFFTPは長きにわたり広く使われていたFTPクライアントであり、未だその需要は失われることはありません。そのため、SourceForge.JPにて有志を募り、開発・バージョンアップを行うことにしました。Sota氏が制作されたFFFTPには長い間お世話になりました。
FFFTP 1.98dでは、11月5日にリリースされた1.98cにいくつかのバグフィックスおよび新機能追加を行ったものです。
主要な変更点は下記になります。
- MLSDコマンドに対応したホストではMLSDコマンドを用いてファイル一覧を取得するようにしました。LISTコマンドの応答に特定のファイルが含まれない一部のホストでも正しく列挙できる可能性が高くなります。
- 通信のルーチンを待ち時間が減るように改善しました。
- ホストの応答をホストのファイル名の漢字コードでデコードしてからログに表示するように変更しました。
- レジストリの設定をファイルに保存するときに任意のコードが実行される可能性があるバグを修正しました。
- 拡張子が無いファイルをダブルクリックした場合に選択されたものと異なるファイルが表示されるバグを修正しました。
- ホストとの接続にInternet Protocol Version 6(略称IPv6)が使用できるようになりました。デフォルトでは従来のIPv4で名前解決ができない場合にIPv6で接続を試みるようになります。
- INIファイルの文字列の文字コードを自動判別するように変更しました。
- メインウィンドウが使用している接続を転送用に再使用するための設定を追加しました。これにより1.97b以前で転送可能だったが1.98で転送不能になるという症状が改善されますが、不具合が発生する可能性があります。
- FTPSで接続した時にSSL/TLSのルート証明書を用いてホストの証明書を検証するように変更しました。ルート証明書を更新するには同梱の"ssl.pem"ファイルをPEM形式に従って書き換えてください。
- ホストとの接続を維持するために一定時間ごとにコマンドを送信する機能を追加しました。ただしこの機能はデフォルトでは無効に設定されます。
- ホストのファイル名の漢字コードの自動判別の精度を改善しました。
そのほか、バグフィックスなど多数の変更が加えられています。
詳細な変更点については、改変履歴
http://sourceforge.jp/projects/ffftp/wiki/FFFTP-history
をご参照ください。
なお、今回リリースされたFFFTP 1.98dでは1.97bから多数の変更点が加えられています。FFFTP Projectではテストを行い、動作が実用上問題ないことは確認しておりますが、まだ利用実績も少ないことから、まだ大きなバグが残されている可能性もあります。そのため、安定した動作を希望する場合はFFFTP 1.97bのご利用をおすすめします。ご理解の上ご利用ください。