こんにちは、大久保です。 本日データ更新しました。 http://classicalepwing.sourceforge.jp/ いままでPerseusにあるラテン語変化形データを利用していました。 約30万語もあるのですが、見つからない変化形がいくつかありました。 今回、William Whitaker氏制作のWORDSのデータを利用し、130万語以上に拡大しました。WORDSのおかげで、古典期以外(古代、中世、現代など)の語や語尾までサポートします。WORDSの訳なども併せて参照できます。 また、ギリシャ語の辞書やホメロス・パックについて、変化形と辞書見出しへのリンクを見直し、リンク率を上げました。 どうぞお試し下さい。 =========== ★WORDSと羅英辞典の合体 今回の目玉は、なんと言っても WORDS と羅英辞典(ELD, LS)の合体です。 WORDSは数回試したことがあるくらいでしたが、今回改めて調べてみて、大変強力なツールだと気づきました。 WORDSには2つのデータが備わっています。一つは辞書見出し(と訳など)の集合(例:amoは第1変化動詞、など約4万件)で、もう一つは語尾変化規則の集合(例:第1変化動詞の直説法現在語尾は-o/as/at...、など約1800件)です。 WORDSは、我々が頭で考えるのと同じようにして、この二つから辞書見出しを決定しています。このため、全ての語の全変化形見出しデータは、WORDSにはありません。 EPWING辞書ではそれが必要なため、私が上記二つのデータを全て組み合わせて作成しました。いくつかの語について『古典ラテン語辞典』巻末と見比べましたが、全てチェックしたわけではないので誤りがあるかもしれません。また、WORDSは、若干の綴り違いについてプログラムで対応しているものがあります。気づいたものは私の方でも対応しましたが、漏れがあるかも知れません。 問題点や改良点などにお気づきの際は、ぜひ掲示板までお知らせ下さい。 http://sourceforge.jp/forum/forum.php?forum_id=18877 Perseusの変化形データは元々約71万件で、与奪同形などをまとめて約30万語、そのうち約2万語は単なる -que (Romaqueなど)でした。 WORDSから生成した変化形は約240万件あり、まとめても約130万語でした。 元々、Perseusの変化形データをWORDSの変化形データで補おうとして始めたのですが、WORDSの方が遙かに充実していたので、WORDSの変化形のみを使うようにしました。 WORDSとLewis&Shortの見出しを比べると、LSの主見出し約5万語のうち、約2万5千語がWORDSにありませんでした。主に固有名詞などのようですが、まだよく調べていません。追加する必要があれば、チャレンジしたいと思っています。 ★ギリシャ語辞典の改良 以前の変化形見出し付きLSJでは、辞書見出しに短母音記号が付いていたりすると、変化形から辞書見出しへジャンプできませんでした。今回公開したデータではそういう余計な記号を除外した上で一致する語へジャンプするようにしました。これによりジャンプできる語が増えました。また、一致する語が複数ある場合は、それらを全て表示します(以前は最初の一つだけでした)。 ホメロスの原文テキスト、Homeric Dictionary、変化形を組み合わせたホメロス・パックでも、原文テキストからのリンク率が約4割から8割以上に向上しました。 ★EBseries・コトノコ専用ファイルの修正 h_ishida氏制作の EBseries(EBWin, EBMac, EBPocket)では、ギリシャ語をローマ字音訳せず、Unicode文字表記のまま検索することができます。このために必要な alternate.ini で、二重母音の扱いについて誤りがありましたので修正しました。 外字も二つ追加しました。 EBseriesやコトノコをお使いの方は、辞書データだけでなく、外字をUnicode表示するための専用ファイルも更新してください。 http://classicalepwing.sourceforge.jp//download.html#unieb ★EBMac誕生! 精力的にEPWINGソフトを開発してくださっている h_ishida 氏により、Intel Mac用の EBMac が出来ました。 http://www31.ocn.ne.jp/~h_ishida/MacOS/Mac.html Windows用のEBWinや、iPhone用のEBPockt for iOSと同様、外字のUnicode表示が行えます。