[Gauche-devel-jp] Gauche-0.6.7 リリース

Back to archive index

Shiro Kawai shiro****@lava*****
2003年 2月 7日 (金) 21:07:44 JST


Gaucheの0.6.7をリリースしました。
http://www.shiro.dreamhost.com/scheme/gauche/index-j.html

主として機能拡張リリースです。gauche.charconvの機能を強化し、
www.cgiに出力の文字コード変換機能を付けたので、日本語を扱う
cgiは書きやすくなったのではないかと。

Gauche-gl, Gauche-gtk, およびWiLiKiの新版も近いうちに出します。
どれも0.6.7の機能に依存しているので。

アナウンスはしていないのですが、Alex Shinnによるgettext準互換
なモジュールtext.gettextもディストリビューションに含まれています。
単に私のテストとドキュメンテーションが間に合わなかったのでアナウンス
に入れなかったのですが、使い方はAlexのメイルに詳しいので、
興味のある方は使ってみて下さい。
http://sourceforge.net/mailarchive/forum.php?thread_id=1523494&forum_id=2043


* 新モジュールと拡張された機能:
      o 新モジュール srfi-37: コマンドライン引数のパーザです。
      o 新モジュール util.combinations: Alex Shinn氏による、順
        列組合せ等を計算するモジュールです。
      o 新モジュール util.list:追加のリスト処理ライブラリ。
      o gauche.testの改良: `test' 手続きは、テストとして渡され
        た手続き中で発生したエラーを 捕捉するようになりました。
        新たに導入された変数 *test-error*は特殊な「エラー値」を
        保持し、 テスト中にエラーが起きた場合に test が返す値と
        比較することで、「エラーが起きるべき場合」をテストするこ
        とが できるようになりました。また、テストを簡単に書くた
        めにtest* マクロも導入されています。さらに、新しいtest-
        module 手続きはモジュール中のautloadやexportされたシンボ
        ルと 実際に定義されている変数の間に矛盾が無いかどうかを
        検査します。
      o gauche.charconvの改良: 変換手続きは、符合化文字方式
        (CES)名として文字列だけでなく シンボルも取るようになりま
        した。gauche-character-encoding の戻り値も直接渡せます。
        新たな手続き ces-equivalent? と ces-upper-compatible? に
        よってCESの互換性を 調べることが出来ます。また、
        wrap-with-input-conversion と
        wrap-with-output-conversion によって、 必要な時のみ変換
        ポートを作成する操作が簡単になりました。 また、CES
        "none" のセマンティクスが明確にされました。
      o gauche.sequenceの改良:新しいイテレータ、
        fold-with-index、map-with-index、 map-to-with-index、for
        -each-with-index、 find-index、find-with-indexが追加され
        ました。
      o www.cgiの改良:cgi-mainに、 出力時に文字コード変換をさせ
        るようにすることができます。
      o ポート操作の拡張:port->string等の性能が 改善されまし
        た。また、新しい手続き with-port-lockingによって、ポート
        を操作中に 明示的にロックすることで性能向上が図れます。
        peek-byteを追加しました。
      o sortとsort!がvectorもソートするようになりました。
      o make-moduleによって、モジュールを動的に生成できるように
        なりました。無名のモジュールもサポートされます。 サー
        バーアプリケーションに便利です。
      o loadとload-from-portが :environmentキーワード引数を取り
        ます。 渡されたモジュール中で読み込んだ式を評価するため
        のものです。
      o ハッシュテーブルのコンストラクション手続きhash-table、
        及びイテレータhash-table-foldが追加されました。
      o file.util中のdirectory-listが :filter-add-path?キーワー
        ド引数を取るようになりました。 
* バグフィクス
      o string=?は完全な文字列と不完全な文字列が渡された時に エ
        ラーになっていました。現在はそのような場合は#fが返ります。
      o ユーザ定義オブジェクト同士を比較する場合に、
        object-equal?が定義されていないと、たとえオブジェクトが
        eq?であってもequal?は#fを 返していました。
      o gauche.regexp: rxmatch-caseが 無限ループに入る可能性が
        あったバグを修正 (Patch from Kimura Fuyuki).
      o math.mt-random: bignumがseedとして渡された時、
        mt-set-random-seed!は引数にかかわらず同じ値を seedとして
        セットしていました。
      o text.csv:セパレータがtab文字の時に、 連続するtab文字が
        ひとつのtab文字と同じように解釈されて いました。
      o rfc.uri:uri-encodeが、内部エンコーディングと 異なる文字
        列を受け取った場合にエラーとなってしまっていました。
      o gauche.net: データグラムソケットを扱うための John
        Kilburgによるパッチを適用しました。
      o gauche.net:ソケットオブジェクトが、それを使用中の ポー
        トがあるにもかかわらずGCされてしまう可能性があったバグを
        修正しました。
      o hash-table-map:ハッシュテーブルにキーを #<eof>とするエ
        ントリがあった場合にそこで繰り返しが 終ってしまっていま
        した。
      o srfi-1, srfi-13:いくつか、 あるべきautoloadが存在してい
        ませんでした (Patch from Kimura Fuyuki)。
      o sys-putenvに渡された文字列がGCされてしまうという バグが
        ありました。 
* その他の変更
      o ソースコード中のリテラルのuvectorは変更不可ベクタとして
        扱われるようになりました。 




Gauche-devel-jp メーリングリストの案内
Back to archive index