長南洋一
cyoic****@maple*****
2012年 6月 19日 (火) 20:26:04 JST
長南です。 相変わらず長文ですが、ご容赦。 小笠原さんのメールより [JM:00731] > >> 実験してみました。PPD ファイルを指定する場合、-P ではフルパスで >> 指定しなければならないのに対して、-m の方は、/usr/share/cups/model からの >> 相対パスで指定する。それが違いのようです。また、-m では次のように >> 指定することもできました。 >> >> # lpadmin -p dummy2 -m gutenprint.5.2://hp-dj_505j_plus/expert -v parallel:/dev/lp0 >> >> # lpadmin -p dummy3 -m foomatic:HP-DeskJet_505J_Plus-dj505j.ppd -v parallel:/dev/lp0 >> >> きっと、これが "using one of the driver interfaces." ということなんでしょう >> (実際に印刷するところまでは、試しませんでしたが)。 > > ああ、using one of... についてはそうかもしれません。 > > しかし、相対パスか絶対パスかということに話を単純化されると少々困ります。 > /usr/share/cups/model 以下にファイルがない PPD を、例えば OpenPrinting.org > からもらってきたり自分で書いたりした場合にも、-P オプションの場合は導入 > 可能、というのが大きな違いです。 ふと思ったのですが、小笠原さんは、わたしの最初の訳の方が、三項目の 訳を揃えたものよりも、まだ -m と -P の違いが出ているとおっしゃって いるのでしょうか。もしそうなら、元の訳に戻します。 最初の訳では set の訳し方をひねりすぎたと思って、素直に訳し直した つもりだったのです。ですから、前の方がマシだったとしても、偶然に すぎませんけれど。 それはそうと、原文が -m と -P の違いをはっきり説明していないことが、 小笠原さんにしろ、わたしにしろ、不満の大元なのではないかと思います。 コマンドの使用法のマニュアルですから、違いの説明と言っても、使用法の違い を通して説明するよりないのでしょうけれど。 >> supply というのは、いわゆる「サプライ品」のことだったんですか。 >> サプライレベルでは、紙やインクへの連想が働きませんから、「消耗品」 >> という言葉を前に出したいと思います。 > > 実はここが微妙なところで、例えば SNMP の Printer MIB (RFC 3805) > においては「描画用の消耗品」(markerSupplies) と「用紙残量」 > (inputMediaSupplies) は別の情報で、それを両方扱ってるのかどうか、 > ちょっとコードを読んでみないとなんとも。 > 実は markerSupplies しか見てないとか実にありそうです……。 難しいですね。しかし、この manpage は大雑把な説明なのですし、"all the SNMP supply level values" と言っているわけでもありませんから、翻訳も 大雑把でよいのではないでしょうか。 > ナニがサプライレベルでナニが違うかというのは結局 SNMP の場合は > MIB の仕様、IPP の場合はセマンティックモデルを確認するしかないわけで、 > だったら仕様に当たりやすいように「サプライレベル」にするのがよい > のかなと思っています(訳注を補うことは反対しません)。 たしかに、英語を付けた方が読者に対して親切かもしれません。こんな感じですか。 -o cupsIPPSupplies=false Specifies whether IPP supply level values should be reported. IPP 消耗品残量値 (supply level values) を通知するかしないかを指定する。 -o cupsSNMPSupplies=false Specifies whether SNMP supply level (RFC 3805) values should be reported. SNMP 消耗品残量値 (RFC 3805 参照) を通知するかしないかを指定する。 さて、 -o port-monitor=name Sets the binary communications program to use when printing, "none", "bcp", or "tbcp". the default program is "none". The specified port monitor must be listed in the printer's PPD file. 印刷時に使用するバイナリ・コミュニケーションズ・プログラムを設定 する。 "none", "bcp, "tbcp" のどれかであり、デフォルトのプログラムは "none (なし)" である。 指定するポート・モニターは、プリンタの PPD ファイルに記載されていなければならない。 の "the binary communications program" ですが、 >> カタカナか英語のままかは迷います。どちらでもよいような、よくないような。 > > カタカナにしても情報量が増えないどころか欠落する(スペリングが > わからなくなる)ので、カタカナであることが定着した用語以外、 > カナ書きは望ましくないというのが「私の」意見です。 「カタカナであることが定着した用語以外、カナ書きは望ましくない」 というのは、一理あると思います。だいたい、カタカナ語を使うのは、 英語のままよりも、その方が読者の頭に入りやすいだろう、読者に意味を 伝えやすいだろうと思うからこそです (communication よりもコミュニ ケーションの方がマシだろうとか)。カタカナ語を中黒でいくつもつなぐのは、 読者の頭に入りやすいとは言えませんし、美しくもありません。 しかし、日本語の文章に英単語が混じると、その部分が際立つということも あります。そこに特別な意味があるように見えてしまいかねません。それで、 わたしとしては、キーワード以外は、英語をそのまま使いたくないという 気持ちもあるのです。もっとも、「気持ち」ですから、そのときそのときで、 態度が変わったりしますけれど。 # すぐ後の項の shared/published は微妙なところです。項目名に # "-o printer-is-shared=true/false" と shared が入っているので、 # 英語のままにしたのですが、「共有/公開」と「非共有/非公開」の方が # よかったかもしれません。待てよ、「非共有」って言い方は、あるんだろうか。 # 「共有する/公開する」と「共有しない/公開しない」でしょうか。 "binary communications protocol" が、「バイナリ通信プロトコル」と 訳されることもあるのですから、「バイナリ通信プログラム」でお茶を 濁してもよさそうな気がします。詳しいことを調べたい場合のキーワード としては、port-monitor、bcp、tbcp があるわけですし。 > ... 原文が Protocol と Program を > 間違えている可能性も否定できませんし、... 確かにそうかもしれません。そう思って、念のため Web で調べたら、 こういう記事に行き当たりました。 http://www.cups.org/documentation.php/ref-printers-conf.html PortMonitor Examples <Printer name> ... PortMonitor bcp </Printer> Description The PortMonitor directive sets the filter program that is used for every print job, typically to encode or package the print data in a format acceptable for a particular printer interface. It is set using the lpadmin(8) command: /usr/sbin/lpadmin -p printername -o port-monitor=tbcp The following standard port monitors are included with CUPS: * bcp - Encode PostScript print data using the Adobe Binary Control Protocol (BCP) * none - Do not use a port monitor * tbcp - Encode PostScript print data using the Adobe Tagged Binary Control Protocol (TBCP) This directive must appear inside a Printer or DefaultPrinter section. "the filter program" と言っていますから、「プログラム」でも間違いでは なさそうです。 -- 長南洋一