Tracとは、Pythonで実装されたプロジェクト管理ツールで、以下のような機能があります。
しかし、Tracをインストールするためにはいろいろなツールをインストール必要があり、手軽に試すことができませんでした。
All-In-One TracではTracの実行に必要なほぼすべてのツールをひとまとめにしてインストールできるようにしました。
All-In-One TracではTracのもともとの機能に追加して以下の機能を提供しています。
All-In-One Tracは現在の所、WindowsXP上でのみ動作を確認しています。 また、インストール時にWindows Scripting Host(WSH)を利用しているので、 WSHが無い環境ではインストールすることができません。 (これはAll-In-One Tracの制限で、TracやSubversion、Apacheの制限ではありません)
ツールの名前 | バージョン |
Trac-ja | v0.9.4 |
Subversion | v1.3.0 |
Apache | v2.0.54 |
Python | v2.3.5 |
Python bindings for Subversion 1.3.0 on Win32 | v2.3用 |
Clearsilver | v0.9.12 |
PySQLite | v1.1.6.win32-py2.3 |
docutils | v0.3.9 |
JapaneseCodecs | v1.4.11 |
CilverCity | v0.9.6 |
diffutils | v2.8.7 |
regex | v0.12 |
All-In-One TracはTracのマルチプロジェクトに対応しています。 All-In-One Tracではプロジェクト情報を識別するために、プロジェクトIDを各プロジェクト情報に付加しています。
インストール時に作成されるプロジェクトのプロジェクトIDはdefaultです。 プロジェクトIDはプロジェクト情報を格納するフォルダの名前や、Tracにアクセスする際のURLなどに利用されています。 そのためプロジェクトIDにはアルファベットと数字以外使用しないようにしてください。
All-In-One Tracで新しくプロジェクトを作成する場合、以下のコマンドを実行してください。
cd [All-In-One Tracのインストールディレクトリ]/admin/trac create-trac-env.bat プロジェクト名称(日本語可) プロジェクトID
コマンドが成功すると、新たにSubversionリポジトリとtrac-envが作成されます。 http://インストールしたPC名:指定したポート番号/ にアクセスすると新しく作成したプロジェクトのリンクが表示されるので、クリックしてください。新しいプロジェクトに対するTracが表示されます。
現在の所、各プロジェクトで利用できるユーザ名とパスワードは共有されます。
All-In-One Tracはインストールしてすぐ利用できること、できるだけ多くの環境で利用できること、をモットーとしているため、Trac(Apache)の起動はスタートアップからのコマンドライン起動になっています。
しかし、タスクバーにコマンドプロンプトが表示されるのが邪魔だったり、複数人で利用する場合に、いちいちログインする必要があったりと、少し面倒な部分もあります。
そういった場合に、All-In-One Tracで利用しているApacheをWindowsのサービスに登録することで問題が解決します。
Apacheのサービス化を行うにはシステム環境変数を設定や、サービスの登録を行える権限が必要です。(Administrator権限など)
以降の操作を行う前に、コマンドラインで起動しているAll-In-One Tracは終了させおいてください。
まずはAll-In-One Tracをインストールしたフォルダに移動して、apache_start.batをテキストエディタ(notepadなど)で開いてください。 このファイルに以下の環境変数が記述されています。
PYTHONHOME
SVN_HOME
APR_ICONV_PATH
DIFFUTILS_HOME
また、環境変数PATHに上記の環境変数を使用して以下のように値が追加されています。
set PATH=%PATH%;%PYTHONHOME%;%SVN_HOME%\bin;%DIFFUTILS_HOME%\bin;
コマンドプロンプトを開き、
set(リターン)
と入力して、環境変数の一覧を表示させ、先ほど設定した環境変数が設定されていることを確認してください。
All-In-One Tracのインストールフォルダの下のapacheフォルダの中に、install_service.batというバッチファイルがあるので、ダブルクリック、または、コマンドプロンプトから実行してください。Apacheがサービスとして登録されます。
コントロールパネル - 管理ツール - サービスを選択し、 サービスウィンドウを表示させてください。 サービスの中にApache2という名前のサービスがあるので以下の内容を確認してください。
もし、上記のようになっていない場合は、Apache2のプロパティを表示させ、設定を変更してください。
PCを再起動した後、All-In-One Tracのコマンドプロンプトがスタートアップで立ち上がるようであれば、終了させてください。 その後、All-In-One Tracにアクセスできることを確認してください。Tracの画面が表示されればOKです。 後処理
All-In-One Tracのサービスが正常に動作していることを確認した後、スタート - すべてのプログラム(P) - スタートアップを選択し、表示されるサブメニューからtracの起動.lnkを削除して、ログオン時にAll-In-One Tracがコマンドラインから起動しないようにしてください。
サービス化を行った後、All-In-One Tracにアクセスした際に500 Server Errorが発生する場合は、システム環境変数に設定したPYTHONHOMEがサービスからうまく参照できていないことが原因です。 この場合はPCを再起動してシステム環境変数を正しく反映させてください。 サーバーなどで再起動ができない場合はBBS-Tracご意見・ご質問掲示板/20でdomblyさんがとられたように、管理者権限のあるユーザでサービスを実行するように設定してみてください。