[Anthy-dev 309] Re: screen-uim 0.1

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yusuk****@cheru***** yusuk****@cheru*****
2003年 12月 2日 (火) 23:52:12 JST


田畑です。
> 
> > # これで BSD/Linux Day の迎撃体制は整ったかな...
> 私の書いたスライドも野首さんの発表に使ってもらえそうです。
> フリーとかセキュリティとか言うと座長および、他の発表者に
> ウザがられそうなので、そのスライドであんまり話せそうでは
> ないですけど、、、、

ということで、BSD/Linux Dayに行ってきました
http://www.jus.or.jp/events/bsd-linux-day/
プログラムを見るとわかると思いますが、「日本語入力」の
セッションにいる4人ともポジションや発表の方向性が異なります。
さらに、座長(fjとか読んでた人は知ってる人かも)も方向性が
違いました、そのため、各人の発表の中には興味深い点もあったの
ですが、全体として、つかみ所のないセッションになったように
感じました。そんな中で興味深いやりとりがあったので紹介します。

座長の人は「AI変換」にやたらこだわりがあるらしくて、まず、
(POBox作者の)増井さんにそのへんについてどうか質問したの
ですが、「AI変換」の定義が不明だと返されました。
そして、諸事情で僕がコメントを言う機会を与えてもらえましたので
日頃思っていることを、ついそのまま言ってしまいました
「AI変換なんて用語は80年代(一応、90年代も)にワープロ関係の
 ライターが適当に作った言葉で、定義などなくてなんとも言えない。
 AIという言葉自体、危険(第五世代コンピュータなどで乱用された)
 なので注意して使うべきだ。」

ここで言いたいのは「AI変換」という用語もなんですが、この
あたりの「最長一致」とか「最小コスト」といった用語を含めて、
90年代前半ごろのPC雑誌の記事のために生み出された謎の理論体系に
とらわれているうちはフリーな変換エンジンの開発は進められないし、
商用のシステムも正しく理解できないので、なんとかしたいという
事です。
#結局、Anthyを開発する以外に何もできそうにないですけど...



ひさびさに推薦図書
「人間の言語情報処理 言語理解の認知科学」 安部純一 他
サイエンス社 ISBN4-7819-0739-3
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4781907393/ref=sr_aps_b_1/250-3236526-9157819
自然言語系の教科書でかな漢字変換エンジンの作成の
役に立ちそうなものをはじめて見付けました。
人間が言語を認識するのにどのような段階があって、それにどのような
モデルが考えられるのかといったことを詳細に説明しています。
他の多くの自然言語の本は計算機で音声、もしくは英文や漢字
かな交じり文を扱う手法がメインなのに対して、人間の認識の過程の
モデルを紹介しているのは興味深いです。

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 CHAOS AND CHANCE!
  Yusuke TABATA (yusuk****@cheru*****)



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