長南洋一
cyoic****@maple*****
2012年 6月 17日 (日) 21:31:44 JST
長南です。 ご意見ありがとうございます。 小笠原さんのメールより [JM:00725] > >> 2) -m オプションというのは、-i オプションと -P オプションを兼ねたような >> もの (言い換えれば、-i や -P の代わりに使えるもの) なんですか。 > > いえ、違うと思います。 > -m は「すでにシステムに導入済みの PPD その他を用いる」もので、-P は「読 > み込む PPD ファイルを指定する」ものでしょう。 > -i オプションは私は使ったことがないので自信はないですが、多分同じような > 関係にあるものではないかと。 実験してみました。PPD ファイルを指定する場合、-P ではフルパスで 指定しなければならないのに対して、-m の方は、/usr/share/cups/model からの 相対パスで指定する。それが違いのようです。また、-m では次のように 指定することもできました。 # lpadmin -p dummy2 -m gutenprint.5.2://hp-dj_505j_plus/expert -v parallel:/dev/lp0 # lpadmin -p dummy3 -m foomatic:HP-DeskJet_505J_Plus-dj505j.ppd -v parallel:/dev/lp0 きっと、これが "using one of the driver interfaces." ということなんでしょう (実際に印刷するところまでは、試しませんでしたが)。 というわけで、三つの項目の訳文を揃えることについてですが、 > 揃えたことによって、先に私が書いたような -P (や -i ?) と -m の > 意味的な異なりがわかりにくくなっている気がします。 繰り返しますが、-m と -P との使用上の違いは、指定に "one of the driver interfaces" が使えることと、PPD ファイルを直接指定する場合、相対パスを 使うかフルパスを使うかということのようです。事実上、前者が意味上の 違いということではないでしょうか。そうだとしたら、意味上の違いも -m オプションの説明に文章として書いてあることになります。訳文を揃えても、 問題なさそうな気がします。 ただ、後者については、原文自体が「もうちょっとはっきり書いてくれれば よいのに」なので、困ってしまいます。いっそ、訳注を入れてしまいましょうか。 たとえば、次のように。 -m model プリンタに対して、標準的な System V のインターフェース・ スクリプトや PPD ファイルを指定する。そうしたスクリプトや PPD ファイルの指定は、model ディレクトリを基点として行うか (訳注: これに対して、-i や -P オプションの場合は PPD ファイル等を フルパスで指定する)、あるいは、ドライバ・インターフェースの一つを 使用して行うかする。... -i オプションについては、本当にフルパスを使うかどうか、試していないので、 訳注に書くのは怖いところがあります。待てよ、それならば、-i や -P に ついては何も言わずに、こうしましょうか。 プリンタに対して、標準的な System V のインターフェース・ スクリプトや PPD ファイルを指定する。そうしたスクリプトや PPD ファイルは、model ディレクトリからの相対パスで指定するか、 あるいは、ドライバ・インターフェースの一つを使用して指定する。 今度は、-P の場合も相対パスで指定するんだと、読者に受け取られるのでは ないかと、心配することになりますが。 >> 3) >> -o cupsIPPSupplies=true >> >> -o cupsIPPSupplies=false >> Specifies whether IPP supply level values should be reported. >> >> IPP サプライレベルの値を報告するか、しないかを指定する。 >> >> -o cupsSNMPSupplies=true >> >> -o cupsSNMPSupplies=false >> Specifies whether SNMP supply level (RFC 3805) values should be >> reported. >> >> SNMP サプライレベル (RFC 3805) の値を報告するか、しないかを >> 指定する。 >> >> supply level が何だかわからないので、カタカナにしておきました。 >> report は「報告する」か「通知する」か、どちらがよいでしょう。 > > supply level の業界での定訳は「消耗品残量」です。のでそう訳してもい > いのですが、ではありとあらゆる消耗品の残量が IPP や SNMP で返せるか > どうかわかりませんし誤解を招きそうな気もするので、「サプライレベル」 > のままでもよいのではないかな、というのが私見です。 > > report は「通知」ですかね。 ええ、そういうことなら、「通知」の方がよさそうですね。 supply というのは、いわゆる「サプライ品」のことだったんですか。 サプライレベルでは、紙やインクへの連想が働きませんから、「消耗品」 という言葉を前に出したいと思います。「IPP 消耗品残量値」は、 どうでしょうか。ただ、今度は、「SNMP 消耗品残量値 (RFC 3805) を」と カッコをここに移してよいかどうかが気になりますが。 >> 4) >> -o port-monitor=name >> Sets the binary communications program to use when printing, >> "none", "bcp", or "tbcp". The default program is "none". The >> specified port monitor must be listed in the printer's PPD file. >> >> 印刷時に使用するバイナリ・コミュニケーションズ・プログラムを設定す >> る。 "none", "bcp, "tbcp" のどれかであり、デフォルトのプログラムは >> "none (なし)" である。 指定するポート・モニターは、プリンタの PPD >> ファイルに記載されていなければならない。 >> >> "the binary communications program" をカタカナにしておきました。 >> これで通るでしょうか。 > > 定訳があったかどうかおぼえていないので愚直に日本語に訳せば「双方向通信 > プログラム」なのですが、BCP / TBCP という選択肢の元となる固有名詞でもあ > りますので、カタカナにするぐらいなら英語のほうがよい気もします。 > > 「双方向通信プログラム (Binary Communication Program)」 > > とするのが一番無難かもしれません。 わたしも「双方向通信プログラム」と訳そうと、最初は思いました。 ところが、Web で調べても、"Binary Communications Program" は見つからず、 "Binary Communications Protocol (つまり、BCP ですね)" ばかり出てきます。 そして、BCP というのは、プリンタに印刷データを送る際、ASCII (7 bit) ではなく、バイナリ (8 bit) で送ることを言うらしい (たとえば、http://www5.okidata.co.jp/JSHCS049W.nsf/vNewFaq/0919E7190E95E1C44925715A00256E8E?OpenDocument)。 そんなわけで、「双方向」をつかうのを諦めました。でも、"Binary Communications Program" は "Binary Communications Protocol" と 別のものなのかもしれません。"Binary Communications Program" を 「双方向通信プログラム」と訳す根拠となるような文書はあるでしょうか。 もしあったら、教えていただきたいと思います。ここは、日本語にできるなら、 その方がよいと思いますから。 カタカナか英語のままかは迷います。どちらでもよいような、よくないような。 >> 5) >> -o printer-is-shared=true/false >> Sets the destination to shared/published or unshared/unpublished. >> Shared/published destinations are publicly announced by the server >> on the LAN based on the browsing configuration in cupsd.conf, >> while unshared/unpublished destinations are not announced. The >> default value is "true". >> >> 出力先を shared/published と unshared/unpublished のどちらかに >> 設定する。 shared/published に指定した出力先は、cupsd.conf の >> browsing に関する設定に基づき、サーバーが LAN に対して存在を >> 公開する。unshared/unpublished に指定した出力先の方は、存在を >> 公開しない。デフォルトの値は "true" である。 >> >> "publicly announced" は「公開する」「公示する」、どちらがよいでしょう。 >> ほかに、もっとよい訳語があるかもしれませんが。 > > なんかもって回ったような言い回しですねえ。 > 「公開」でいいような。 「存在を公開する」は「(サーバが LAN に) 公開する」だけで充分だいうこと ですね。 >> 7) >> -D "info" >> Provides a textual description of the destination. >> >> 出力先の「説明」となる短文を指定する。 >> >> -L "location" >> Provides a textual location of the destination. >> >> 出力先が設置されている「場所」を示す短文を指定する。 >> >> http://localhost:631/printers/ の「説明」と「場所」に表示される >> テキストのことです。ここの訳は苦心したのですが、うまく行っているとは >> 自分でも思えません。もっとよい案がないでしょうか。 > > どちらも今の案でよろしいのではないでしょうか。 > location の方は「出力先の設置場所を示す短文を指定する。」とさらっと > 流すほうが好みではありますが、CUPS Web UI の用語を活かすために「場所」 > は鈎括弧で括りたいという意図がおありなのですよね。であれば、現状でも > よいと思います。 わたしは、Web インターフェースの用語を活かすというより、 Web インターフェースの用語に引きずられているのだと思います。つまり、 読者に「あれのことだよ」とほのめかしたい気持ちにとらわれすぎている。 出力先の設置場所を示す短文を指定する。 すっきりしていて、よい訳だと思います。これはいただきます。そうすると、 -D の方も、 出力先を説明する短文を指定する。 ですね。 -- 長南洋一