標準LaTeXの多言語機能の一つであるCJKパッケージを利用した方法(Windows)

Windows環境で、標準LaTeXとCJKパッケージを利用する場合、MiKTeXというツールを用いることで、依存パッケージの選別にかかる手間を軽減することができます。

  • 8/30現在、本文箇所以外の検証ができておりません。(sanak)
  • 日本語翻訳マニュアルのマスタは、QGIS日本語リソース - OSGeo.JP Wikiとなります。SourceForge.JPのリポジトリは、当面、OSGeo.JP Wikiの特定バージョン確定後に、LaTeX形式に変換する形式となりますので、ご注意下さい。(sanak)



基本環境構築

ImageMagick

以下のサイトから、ファイル名がImageMagick-X.X.X-X-Q16-windows-dll.exeとなっているものをダウンロードし、インストールします。

http://www.imagemagick.org/script/binary-releases.php#windows

途中、チェックを入れる画面が表示されたら、Update executable search pathにチェックが入っていることを確認します。
ImageMagick_Setup_Check.png

MinGW/MSYS

以下のサイト等を参考に、MinGW/MSYS環境をインストールします。

http://trac.osgeo.org/postgis/wiki/UsersWikiWinCompile

MiKTeX

以下のMiKTeXのサイトから、MiKTeX 2.7の"Basic MiKTeX 2.7" Installer (Size: 82.33MB)をダウンロードし、インストールします。

http://miktex.org/2.7/setup

途中、Install missing packages on-the-fly:と表示されたら、Ask me firstが選択されていることを確認します。インストールには若干時間がかかります。

MiKTeX_Installer_Settings.png

英語版のPDF変換

上記の基本環境が構築できた時点で、一旦、英語版のユーザーガイドをPDFに変換してみます。

ユーザーガイド(1.1.0)のソース取得

以下のリポジトリより、1.1.0のユーザーガイドマニュアル関連ソースをダウンロードします。
(trunkのユーザーガイド(1.1.x)では、8/30時点で、以下の手順で正常にPDFに変換できないことを確認しています)

https://svn.osgeo.org/qgis/docs/tags/1.1.0_user_guide

画像形式の変換

MSYSを起動し、上記リポジトリのディレクトリに移動後、以下のコマンドを実行します。

$ make pics

LaTeXからDVI形式への変換

続けて以下のコマンドを実行し、LaTeX文書を印刷のための中間フォーマットであるDVI形式に変換します。
※以下の作業はネットに接続した状態で行う必要があります。

$ latex user_guide

途中、以下のようなパッケージ追加確認画面が表示されますので、Installボタンをクリックします。

MiKTeX_Package_Installation(koma-script).png

全部で以下のパッケージが追加で必要となります。

koma-script
caption
natbib
floatflt
hyphenat
fancyhdr
supertabular
rotating
colortbl
footmisc
subfigure
placeins
fancybox
xcolor
stmaryrd

コマンドの実行が完了したら、ディレクトリ内にuser_guide.dviファイルが作成されていることを確認します。user_guide.dviファイルをダブルクリックすることで、YapというDVIビューアが起動し、PDFに変換する前のレイアウトを確認することができます。

Yap_en.png

DVI形式からPDF形式への変換

続けて以下のコマンドを実行し、DVI形式からPDF形式に変換します。

$ dvipdfm user_guide

処理にはしばらく時間がかかります。 コマンドの実行が完了したら、ディレクトリ内にuser_guide.pdfファイルが作成されていることを確認します。

AcroRead_en.png

日本語環境構築

CJKパッケージの追加

以下の手順で、CJKパッケージを追加します。
※以下の作業はネットに接続した状態で行う必要があります。

①スタートメニューから、プログラム / MiKTeX 2.7 / Settings を選択します。
MiKTeX Options ダイアログの Packages タブを選択します。
③ツリービュー内の Language Support / Chinese, Japanese, Korean にチェックを入れ、右下の適用ボタンをクリックします。
④パッケージ更新の終了間際に、以下のダイアログが表示されますが、OKボタンをクリックして、ダイアログを閉じます
⑤元の画面に戻ってから Closeボタンを押して、MiKTeX Options ダイアログに戻ります。
Generalタブを選択し、Refresh FNDBボタンをクリックします。
OKボタンをクリックして、MiKTeX Optionsダイアログを閉じます。

IPAフォントのインストール

以下のサイトの TrueType fonts, in particular the IPA fonts の手順に従い、IPAフォントをインストールします。EUCとUTF8の両方のインストール方法が説明されていますが、UTF8の方を参考にして下さい。

http://www-alg.ist.hokudai.ac.jp/~jan/japfonts.html

スタイル定義ファイルの修正

qgis_style.styファイルをテキストエディタで開き、11行目から始まる以下の箇所を変更します。
変更前

\usepackage[latin1]{inputenc}
\usepackage[T1]{fontenc}

変更後

\usepackage{CJK}

英語本文を日本語に置換

*.texという拡張子のファイル中の英語本文を以下のような形式で日本語に変更し、ファイルをUTF-8形式で保存します。
変更前(例)

\Large{User Guide} \\

変更後(例)

\begin{CJK}{UTF8}{ipam}
\Large{ユーザーガイド} \\
\end{CJK}

LaTeXからDVI形式への変換

以下のコマンドを実行し、LaTeX文書をDVI形式に変換します。

$ latex user_guide

コマンドの実行が完了したら、ディレクトリ内にuser_guide.dviファイルが作成されていることを確認します。

Yap_jp.png

DVI形式からPDF形式への変換

続けて以下のコマンドを実行し、DVI形式からPDF形式に変換します。

$ dvipdfm user_guide

コマンドの実行が完了したら、ディレクトリ内にuser_guide.pdfファイルが作成されていることを確認します。

AcroRead_jp.png

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お気付きの点などありましたら、コメント頂けますと幸いです。

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