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最後にOSでシリアルコンソールを利用するための設定を行います。従来のLinux(というかSysV系UNIX OS)では、コンソールや各種端末の設定は「/etc/inittab」(システム初期化プログラムinitの設定ファイル)に記述されていました。ところが、Ubuntuにはこのファイルがありません。Ubuntu 6.10(Edgy Eft)から、それまでのinitの代わりにUpstartという初期化プログラムが採用されているためです。ちなみに、Upstartはイベント駆動型のプログラムで複数プロセスの初期化を並列して実行することができます。これにより、システムの起動所要時間が短縮されるほか、ノートPCなどで必要な電源管理(スリープやサスペンド、ハイバネーションなど)に伴うプロセス制御も柔軟に行うことが可能になります。
さてUpstartでは、inittabファイルではなく、/etc/event.dディレクトリ内のファイル群に設定を記述します。イベント駆動型らしく各機能ごとに設定ファイルが分かれており、端末の設定はその端末のデバイス名のファイルを用意して記述します。シリアルコンソール用の初期化ファイルとして、「/etc/event.d/ttyS0」と「/etc/event.d/ttyS1」をそれぞれ以下の内容で作成してください。
「/etc/event.d/ttyS0」の記述例
# ttyS0 - getty start on runlevel-2 start on runlevel-3 start on runlevel-4 start on runlevel-5 stop on shutdown respawn /sbin/getty 19200 ttyS0 vt100
「/etc/event.d/ttyS1」の記述例
# ttyS1 - getty start on runlevel-2 start on runlevel-3 start on runlevel-4 start on runlevel-5 stop on shutdown respawn /sbin/getty 19200 ttyS1 vt100
ここで、gettyコマンドの最初の引数には、BIOSで指定したボーレートを与えてください。
初期化ファイルが作成できたら、次に「/etc/securetty」ファイルを編集します。これはrootログインを許可する端末を設定するファイルです。このファイルに「ttyS1」を追加します。
# /etc/securetty: list of terminals on which root is allowed to login. # See securetty(5) and login(1). console # for people with serial port consoles ttyS0 ttyS1 ←この行を追加 ……省略……
以上でSoLを利用するための設定は完了です。
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