京ぽんはアドレス帳のデータをvCard形式で書き出せるし,USB経由でPCやMacとアドレス帳のやりとりをする時も,実際はvCard形式のデータがやり取りされている。

vCard自体は http://www.ietf.org/rfc/rfc2426.txt でRFC 2426として定義されている。以前「京ぽんアドレスユーティリティ」というMacで京ぽんとアドレス帳データをやり取りするために,大雑把にだけど何回か読んだことがある。WX310KでMacから書き出されるvCardを見てみると,この仕様に従って無い点がいくつかある。

誕生日のフォーマットはRFCでは

BDAY:1996-04-15
BDAY:1953-10-15T23:10:00Z
BDAY:1987-09-27T08:30:00-06:00

のように書くように要求されているが,WX310Kでは

BDAY:19960415

のようにハイフンが無い。

RFCによれば,住所は

ADR;type=HOME;type=pref:;;千代田1番;千代田区;東京都;100-0001;日本

のようにセミコロンで区切って私書箱,追加のアドレス,ストリートアドレス,区域(市区町村など),地域(都道府県),郵便番号,国名の順に書かなくてはならないが,WX310Kでは

ADR;TYPE=HOME:100-0001 東京都千代田区千代田1番

のように単一のフィールドになってしまう。

これに関連して,RFCでは名前はFNという型で定義するほかに,Nという型で名前の部分部分をセミコロンで区切って定義する。各成分の順番は,順に,姓,名,その他の名前 (ミドルネームなど?),頭に付ける敬称,後に添える敬称。例えば,ビル・ゲイツことWilliam Henry Gates IIIだったら

N:Gates;William,Bill;Henry;;III

といったふうになるのだろうか。カンマで区切って複数の値を同じ分類に入れることができる。上の例でいうなら,WilliamとBillみたいに。ミドルネームや敬称がたくさんある人も,カンマで区切ってたくさん入れればいいみたいだ。

あと,RFCでは改行を\nとするべきだが,これを解釈しない。

以上のように,RFCに準拠してないところが多々見られる。まあ,これは京ぽんに限らず,日本の携帯電話業界一般に見られることだが。